関東ウェーブの会2019年度5月例会(54日土曜日)報告

 

今回は事務局員も含めて22名の方々が参加されました。

今回は人数が多く,和室と洋室の二つのグループに分かれて意見交換を行いました。一つ一つの話題を丁寧に取り上げることができたように思います。最後に各グループで話し合ったことを相手方のグループと共有する報告会を行って終わりました。以下は報告となります:

 

話題1-1:【睡眠障害の問題,対処法】

話題1-2:【躁を恐れて人生のチャンスを逃さないためには】

話題1-3:【双極性障害は「治す」つもりでいたらいいのか,「長く付き合う」つもりでいたらいいのか】

 

話題2-1:【皆さんはメンタルヘルスのためにどう生活習慣を心がけていますか】

話題2-2:【社会的孤立の対処法】

話題2-3:【双極性障害は「治す」つもりでいたらいいのか,「長く付き合う」つもりでいたらいいのか】

 

 

【洋室グループ】

11

 

話題1-1:【睡眠障害の問題,対処法】

 

○薬,検査,薬以外の対処方法

○どういうことで困っていて,その対処法があれば。

 

どちらかというと不眠?過眠?

・みなさんに挙手でお聞きした結果,約半々だった。

 

まず不眠の方,次に過眠の方の話を聞くことにする

 

・元々導入剤を飲んでいたが,徐々に量が増えた。

今年から薬を飲んでも寝られなくなってきた。

10時に寝ても3〜4時間で目が覚めて,寝られない(中途覚醒)。

今までは一度起きても寝られたが,寝られなくなった

対処法は今のところなく困っている

 

・対処法としては,ブルーライトを見ないようにする。

今は薬の力で寝られている。クエチアピン3錠と睡眠薬。

どうやってスマホ依存から抜け出そうか。

薬をどうにか減らしていきたいので,どう対処していくかが課題。

 

・中途覚醒が多い。一時間間隔くらいで起きてしまう。

朝日にあたってリズムを整えたらいいと言われたが,改善しない。

体調によって不眠と過眠がある。

過眠の時は起きれない。

導入剤だけは飲むが,一度飲むと2〜3日寝たきりになる。

ODを何度もしていて,一部の薬は処方してもらえない。

 

・日光を浴びる。→カーテンを閉めずに寝るとキリっと起きられる。

 

・寝られない(寝つき),中途覚醒,早朝覚醒は別もの。

睡眠薬の種類が違うので,きちんと把握して医者に伝える必要がある

 

・導入剤は脳を落ち着かせる薬。自分で活動させると意味がない。

 

・内科的な原因がある場合もある。睡眠時無呼吸症候群。

 

・お酒は人によって上がる下がるがある。

寝酒は睡眠を浅くする。

不眠も過眠も睡眠が浅いから。

睡眠を浅くする眠剤が多いので要注意。

 

・会社行くときに無理して起きるので,休日に過眠。

法則性がない。

お酒,外に出ない,そういうわけではない。

対処法が難しい。

アクセアチン?(安定剤)を飲んでいる。

 

・お風呂に入る。

直前は交感神経を上げてしまうのでダメ。

ぬるま湯ならいい。

 

・運動する。

ヒーリングミュージック

 

・過眠。寝すぎちゃう。

薬で10時間くらい寝てしまう。

朝が弱い。寝起きが悪い。

 

・躁の時は起きられるが,うつの時は起きられない。

目は覚めるが起き上がれない,もある。

 

・早く寝る?

睡眠の質。

浅い眠りを繰り返してしまう。

 

・睡眠リズムを整える。

朝決まった時間に起きるのが大事。

起きてなるべく強い光を浴びる

 

・睡眠の検査:浅い深いが検査でわかる。

レム睡眠と,ノンレム睡眠が4段階あるうち

2段階までしか寝られていないことがわかった。

 

・睡眠アプリがたくさんある

睡眠を自動的に記録してくれる

 

・入院すると生活リズムが整う

自主的に入院する

 

 

話題1-2:【躁を恐れて人生のチャンスを逃さないためには】

 

・躁状態は,友人関係,経済的にも破壊してしまう。

目標が浮かんでいるが,また躁転してあの時みたいに失ってしまったらと思うとできない。

年齢的に,取り返しつかない。

会社を作るなどした。借金を背負わずには済んだ。

 

・若い頃,病識がないから酷い躁転を経験している。

診断されて病識を持つようになって,躁転をセーブする。

人生の転機,人生を豊かにすることかもしれないが,セーブする。

 

・ちゃんと計画があるのに,怖くて踏み込めない。

 

・やるかやらないかの判断を一人で決めない。

相談役を見つける。人生の相談役。

考えをすべて共有して,仲間体制でやる。

 

・うつがひどい状態で会社を経営するのは無理。

息子と共同代表にする。

自分は裏方に。だいぶ気は楽になった。

 

・今の世の中,金払えば相談できる。

とにかく色んな人に相談する。

 

・自分で会社をやりたいと思っているので,会社を立ち上げた人がいて,勇気づけられた。

 

・やりたいことがあっても衝動的にはしないで計画的にやる。

 

・チャンスや夢を持つ,リスクをとるほどの気力がない。

昔なら自費出版。今ならネットに投稿,ブロガー。

嫌な思いをしない生活をしたい。

が,公園で座っているほどの平凡にはなりたくない。

趣味を持つ。

 

・躁転すると,うつモードマイナス5までつけている。

プラス12で頓服を飲む。

エネルギーの出し惜しみする。

仕事をつかみたい。

 

・数人が口を合わせてやめろと言ったらやめる。

絶対信用できる。

 

・波の真ん中がどこかわからない。

今どっちにいるのか。

 

・「自立とは依存先を増やすこと」

 

 

話題1-3:【双極性障害は「治す」つもりでいたらいいのか,「長く付き合う」つもりでいたらいいのか】

 

・いわゆる治す,完治か,症状に振り回されていなくても寛解,再発する可能性を覚悟で生きていく。

 

・↑後者なんだけど,前者には覚悟がいる。

 

・リカバリという概念。

回復する精神があっていい。

発達性障害者からするとその概念はうらやましい。

 

・今の困りごとにフォーカスしよう。

軽いか重いか,分類はともかく。

そこで自己規定をしない。

 

・目の前の症状を一つ一つ丁寧に向き合っていく。

障害を,今を恨んでもしょうがない。

 

・病気とかに関係なく,日常の困りごと。

その中の一つに病気の症状があると思えばいい

 

・症状をなくすことを考えないと。大事なことを見失わない。

 

・長く付き合うという表現も好きじゃない。

長いのに向き合うのは健全じゃない。どうでもいい,忘れていい。

べてるの家。安心して絶望できるという言葉がある。安心して絶望している。

躁うつ病は一生治らないというのは絶望的だけど,その絶望感に悲しみ苦しみ,色々ある。

毎日薬は飲むけど,何のために薬を飲むのか忘れることができるようになればいい。

 

・病気をあまり意識しない

 

・加藤先生は,糖尿病と同じように薬を毎日飲んでいれば毎日普通に生きていけるとおっしゃっている。

薬毎日飲んでいれば躁うつ病でないし,健常者として生きていければいいな。

 

・付き合うという言葉は好きじゃない。

躁うつ病で何だというのが疑問。皆さんも思いきり調べたと思う。

これで治るんですかと聞いたら,長く付き合いましょうと医者に言われる。5年ぐらい絶望期間がある。

生活に不自由がないし,自意識がない。

症状はあるけど,普段顔出さないんだったら,付き合うんじゃなく忘れちゃう。

 

・全部は忘れられないけど,躁の時は自覚はある方がいいから,躁の時の方が自覚しておく方がいい。

 

・薬飲めばいいじゃん,躁うつのコントロールを考えるのを踏まえている。

普通の方のように普通に生きていける。

 

・目を向けながら忘れる。

 

・向き合うものだと思っている。腐れ縁だと思っている。

 

・やらかしたから色々見えている。それがなかったらものの考え方している。

躁で失ったことあるけど,躁で得たものがある。

 

・ポジティブに忘れるかネガティブに忘れるか。

 

・発達障害は常にリマインダーされる。

属性の一つだから

 

・病院の先生も色んな症状を聞いて判断している。

入院したり会に出たり経験して,うつになると苦しくなる,いかに繰り返さないように考えることが重要。

楽しむことは人生の中で重要。

社交ダンス,コミュニケーションをできる場を作る。

接点を持っていきながら長く付き合っていく

 

・忘れていたらまた発症している,を何回繰り返している。

去年5度目の入院。縁を切られてしまう。

 

・診断間もなくて実感が沸かない。

 

・治すという感覚が何で出てくるかというと,何かを犠牲にして治そうとしているからだと思う。

生活を我慢している。規則正しい生活をするのがすごい苦手。

それは今のところ薬でコントロールしていて,医者が何と言おうが苦痛すぎるからやめよう。

無理をしないところで折り合いをつけていく。

 

 

【和室グループ】

11

 

話題2-1:【皆さんはメンタルヘルスのためにどう生活習慣を心がけていますか】

 

○話題提案者より:以前は昼まで床に伏せていたが,ここ1ヶ月くらいは早朝から起き,ウォーキングやストレッチ等ができている。皆は何かしているか?

 

○司会:放っておくとQOLが下がり,躁になると多弁,多動になったりする。それらを防ぐために何かをしているか?

 

・会社等で行われている,職場の「メンタルヘルス面接」的なものは余計に腹が立つ。

 

・職場の非常階段の壁をたたく。

誰かを攻撃する前に一旦我慢して,外で叫ぶなどの対処をしている。

 

・筋トレやプールをしている。

市営ジムだと自治体によっては手帳で無料だったり,安かったりするので有用である。

 

・自分はうつ病に近い躁うつ。

今は同病者の彼と住んでいるが,二人で決めていることは朝起きたらすぐに布団をたたみ,カーテンを開けて日光を浴びてセロトニンを浴びる,また朝食を摂る,ということを行っている。

また,眠前薬に関しては,必ず同じ時間(日付が変わった時間)に服用するようにしている。

 

・自分は生活習慣を整えられない。

無理しない,気にしない,我慢しないようにしている。

朝早く起きられなくても「まあいいや」と思うことを心がけている。

そうすると最近はうつに落ちこんでいない。

 

・手芸などの趣味を行い,気分を持ち上げるようにしているが,落ち気味なときはどうしようもない。

 

・自分は過眠が強く,一日が無駄になってしまい,この問題には悩んでいる。

 

23時までには薬を飲み,6時に起きるという鉄壁の生活サイクルは出来上がっている。

このスタイルを作るためにパチンコに通った。

今は就職したので,そのサイクルが役立っている。

6時に起きてパチンコに行ったのは,8時にパチンコに来るおじいちゃんと話をするためであった。

昼寝をしているため,7時間は寝ている。

 

・うつ傾向なのに8時以前に寝ている人はすごいと思う。

起床・就寝時間を一定にし,3度の食事をきちんと摂ることが良いとされている。

入院していれば必ずそうなるが。

ただ,何もできなければ,居直ってずっと寝ていることも一つの方法だと思う。

生活リズムを一定にするために何か予定を入れることは有効だと思う。

早めに寝る習慣をつけることが重要。

 

・自分は,21時過ぎには布団に入って「寝るモード」にしている。

そうすると,眠剤が効いてくるし,夜中まで起きていられなくなる。

 

・動かないと逆に入眠もできなくなるので,できるだけ昼間動くように心がけることは有効。

デイケア等がそれに使えると思う。

 

・自分は就寝2時で,起床が10時である。

これは自分や家族の仕事のスタイルに合わせるとこのようになるのだが,このような就寝・起床時間でもいいのか?

時間がずれていても仕方がないが,自分なりに固定するほうがいいと思う。

 

・睡眠時間は8時間もいらないのでは?

歳を取ってくると,5時間などになる。

 

・医者は平均で「6時間寝ればいい」,「6時間を切っていても,疲れが取れていればいい」,と言った。

 

・自分は診断前の17年間,3時間睡眠で通した。深夜2?5時。

 

・自分は躁状態のときに10日間寝ないで仕事をしていたことがあった。

 

 

話題2-2:【社会的孤立の対処法】

 

○話題提案者より:昨年薬物躁転し,様々なことをして1ヶ月入院した。

例えば,夜遅くに友人の家に行ったり,電話をかけまくったり,事件性があるようなこともしてしまった。

そして人が離れていってしまった。

知らぬ間に,15年連れ添って,理解してくれていた人と離婚もしてしまっていた。

今は少しずつ昔の友人に連絡を取ったりしているが,かなり孤立無援な状態である。

そういった孤独や社会的孤立の対処には,どのようなものが有効か。

 

・電話かけまくり症状は皆やっているかもしれない。

自分はニュースを見てその事案に対して,関係機関に電話をかけるという,正義のクレーマーとなった。

 

・誇大妄想があり,お金を上げる,と言い出したりしたこともある。

検事調べの際にサザンの曲を大声で歌ったりもした(自分は後で知った)。

 

・自分は友達が遠方にいるため,なかなか会えない。

その分,Zoomなどを使用したウェブ上の当事者会(晴れのこ)に参加することで,孤独が解消できていると思う。北から南まで参加している。

 

・生活支援センターのフリースペースで精神障害,障害を持った人と交流を持ったりしている。また,イベントやレク,SSTなどを活用することも有効であると考える。

 

・一般社会で孤独だと思うこともあるだろうが,躁うつ病の場合の孤独は他と違うところがあると思う。

何かをやらかして「とんでもないやつ」だと思われて人が離れていってしまうこと,うつになって周りの人から「怠けているのではないか」と思われること,の2点が特に孤独につながると思う。

その意味では,躁うつ病の当事者会は当事者同士の中でやりとりをしてから,健常者の中へ入っていく,ということも一つの方法であると思う。

 

・自分はそんなに酷い躁になったことはなく,とにかく酷いうつになって寝込むことが多い。

うつになって電話が取れなかったりして外部をシャットアウトしてしまうことがある。

特に近い関係のママ友と疎遠になってしまったことがあった。

仕事も続かないので,職場の方との関係も疎遠である。

 

・自分は躁転したときに近くにいた友人を9割なくした。

そして,関東ウェーブに来て,人との関係,交友を得た。

 

・躁転した際,親友に暴言を吐いたことで親友が去ったことがきっかけで,関東ウェーブに来た。

親友と思っていた人間が離れていったことで,孤立感がひどかった。

普段生活していたら双極性障害の人と出会うこととはないが,ウェーブでは同病者がたくさんいて,話ができた。

 

・理解がないところで理屈を説いても,出来上がった溝は埋められなかったりする。

自分自身が自分の気持ちを普通に話せるのは,当事者同士だからだと思う。

当事者とのつながりは重要だと思う。

 

・双極性と診断されたとき,周りからの理解が欲しくて,同じ部署の皆に双極性障害のことを説明した。

そのとき感じたのは,ただ説明して相手を困らせ,変な空気にしてしまった,ということである。

いきなり健常者に病気を説明しても,困らせるだけであると思った。

 

・職場の例だと,うつ病の人は受け入れられていたが,躁うつ病は受け入れてもらえないと思った。

オンラインで同病者と出会ったり,リアルで同病者と会うなどして,段階を踏んでいって取り戻すことが良いと思う。

 

・同僚に話しても,相手がドン引きしているのがわかる。

「わからない」「怖い」が前提になっているので,いくら理論的に説明しても簡単に理解されないことを覚悟しておいたほうがいいと思う。

 

・ツイッターなどのSNSでネットワークができることもある。

・ウェブ上の交流も重要だが,顔を合わせて同病者と交流することも重要だと思う。

 

 

話題2-3:【双極性障害は「治す」つもりでいたらいいのか,「長く付き合う」つもりでいたらいいのか】

 

II型寄りの考えでは,「都合の悪いところだけ」治したいと思っている。

自分はクローズで働いていると,うつ状態が問題になってしまうので,うつ状態を治す努力をしている。逆に,躁状態はそこまで酷いエピソードがなく,むしろ軽躁状態が完全に治ると自分のアイデンティティが失われてしまうと思っているので,できればそういう部分は残していきたいと思っている。

 

・うつ状態は「この人だめな人」という烙印を押されてしまうことになるので,それは解消したいと思う。

 

  躁うつ病が治る,と思っている人?

・みなさんに挙手でお聞きした結果,一人もいなかった。

 

・治せるものなら治してみたい。

自分は診断されて3年目なので,長い目で見たときに,自分がどの位置にいるのかよくわからない。

長く付き合わざるを得ない,のかどうか,整理がつかない。

 

・自分は22年付き合っているので,どうしても波は仕方がない部分があると思っている。

しかし,必ずうつも躁も終わるときがあるので,「波はあるもの」と考えている。

自分の場合はうつが8割。

 

・自分はラピッドかつ混合で,「今ここ」にいることが,訳がわからないようになっている。いたたまれない感覚。

しかし,それは昔からなので,コントロールしていくしかないと思っている。

自分の場合は,ADHDがあるのでストラテラやコンサータでコントロールし,付き合おうと思っている。

 

・自分はまだ半年なので,まだ全然わからない。

 

・躁うつ病は最初は受け入れられなく,否定していたが,年月とともに服薬をしながら過ごしてきた。

治すか付き合うかという考え方は,付き合ってきた年月で変わるのではないか。

 

・自分は寛解したといった人がその後すぐ亡くなってしまったことがあった。寛解した,とすぐに思わないほうがいいかもしれない。

躁うつ病は悪い部分だけでなく,だからこそ「きらっと光る」部分もあると思うので,そういう部分を大切にして付き合っていけばいいと思う。

 

・躁うつ混合状態は辛いものであると思う。混合の際は,負の方向へ頭はぐるぐる回って活性化してしまうので,苦しいものだと思う。

 

・発達の世界では「治った」という言葉がバズワードになっている。

ある出版社の社長が「発達障害が治る」と喧伝するため,騒動になっている。

発達にしろ躁うつにしろ,本当に苦しい障害なため,スピリチュアルな方向に走ってしまうことも懸念される。

 

・自分の歴史の中でこの考え方は変遷していくもの。

 

 

懇談会の報告は以上です。

終了後の懇親会では,夕食を食べて,歓談しました。その後,有志で二次会を行い,居酒屋へ行きました。

 

みなさんお疲れ様でした。また会いましょうね!